飯塚さんは、2代目として継いだ薬局を漢方相談のお店に変えられました。最近は漢方ダイエットのご相談が増えているそうですね。
薬剤師として、もっとお役に立てることをしたい、よいものを提供したいと考え、漢方にたどり着きました。漢方というと神秘的なイメージがありますね。そういった要素も否定はしませんが、私が漢方をよいと言うのは学術として優れているからです。漢エビデンスの理論と出会ったことでその確信はより深まりました。
当店の漢方ダイエットのお客様は、病院で治療中の方や、治療一歩手前の方が大半ですので、必ず血液検査を行うか、または検査表を持参していただいています。ある50代の女性は、専業主婦でずっと健康診断を受けていませんでした。当店で血液検査をしたところ、中性脂肪の数値が非常に高く、病院だったら即、投薬が始まる状態でした。ご本人は「こんな危険な状態だったなんて」と深く落ち込まれていました。そこで「薬を飲まなくてすむように頑張りましょう」とお伝えし、ダイエットに取り組みました。
当店のダイエットの軸は善玉ホルモンを増やすことです。そのために漢方と機能性食品で体調を整え、食養生をしていきます。通院中のかたも基本的には変わりません。中には5年、10年とお薬を飲み続けてきた方もいますが、体重が落ちれば体調もよくなり、薬を減らしていけます。実際に、別のお客様で通院中だった方は、徐々に薬を減らすことができ、いい痩せ方をしましたねと病院の先生にもほめていただけました。
痩せると、数値が変わるだけでなく、みなさん体感もあるのでしょうか?
血流がよくなることで、頭痛、冷えなどが改善する方は多いです。当店では初回のカウンセリングでお悩みの症状などを詳しくお伺いします。ダイエットのお客様に多いのは、不眠、食後の眠気、膝の痛み、動悸、息切れ、頭痛、肩こりなどといったお悩みですが、ダイエットに成功されると、「そういえば他の症状もよくなっています」と後から気づくケースは多いです。あとはみなさん、体重や数値で達成感を感じてくださり、表情が明るくなられます。あるお客様は、何年も病院のお薬を飲みながら、なかなか痩せることができず、数値もさがらず、時限爆弾を抱えているような気持ちだったそうです。ダイエットに成功して「命拾いしました」と言ってくださいました。
漢エビデンスを伝える上で、大切にされていることは何ですか?
薬剤師になって30年。漢方相談と漢方ダイエットに強い手応えとやりがいを感じています。
現代社会において、自律神経、ホルモン、免疫のバランスが崩れている方は非常に多いです。そこから肥満に、そして糖尿病や高血圧などの慢性疾患になる方が増えています。数値を下げるお薬はありますが、投薬中のかたは薬を飲み続けることに不安を感じていらっしゃいます。そうした方々が「漢方なら安心感がある」と言って当店に来てくださいます。
その期待に応え、安心して漢方をのんでいただくために、学術的な裏付けのある、わかりやすい説明を常に心がけています。また、私の話は理論寄りになりますので、情緒的な部分は一緒に店に立つ妻に委ねている部分も大きいです。身内ながら、おもてなしの精神が私の10倍優れていますので、自然と妻だけに悩みを相談しているお客様も多いようです。
そうした環境にも助けられながら、これからも一人一人のお客様と向き合ってまいります。
そして1人でも多くの方に、「漢方と出会ってよかった」と感じていただけたらこの上ない喜びです。